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2023.05.24
外国人労働者を雇用する場合に注意すること
就労できる在留資格と注意事項

外国人が就労する事業所数が増加
(資料:労務マガジン)
日本に在留する外国人労働者の国籍は、1位「ベトナム 25.4%」、2位「中国 21.2%」、3位「フィリピン 11.3%」(2022年10月現在)。
外国人が日本に在留するには出入国管理および難民認定法に基づき、在留資格を得る必要があります。日本に中長期在留する外国人には「在留カード」が交付され、カードには氏名、生年月日、国籍、在留資格と在留資格の種類が記載されています。
在留資格の中で『定められた範囲で就労が認められる在留資格』は20種類、『原則として就労が認められない在留資格』は5種類、『就労に制限が無い在留資格』は4種類です。
永住者や日本人の配偶者などは就労に制限がない在留資格で、日本人と同様に制限なく雇い入れることができます。
また『技能』は熟練した技能を持つ外国人に認められるもので、たとえば調理師は10年以上の実務経験を証明して取得できます。従って、外国語ができるから通訳として雇用するなど、本来認められない範囲外の就労はできません。
範囲外の就労をさせてしまったり、在留資格のない外国人を働かせたりすると、事業者は不法就労助長罪に問われ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられることがあるので注意が必要です。
2023.03.23
令和5年4月 雇用保険の料率が引き上げられます
令和5年4月1日から令和6年3月31日までの雇用保険料率が引き上げられます。

いざという時に助かる!
失業等給付等の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに6/1,000に変更になります。(農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は7/1,000に変更になります。)
コロナ禍発生までは永らく雇用保険料は、一般の事業の労働者負担額分は3/1,000で低値で安定していました。
例えば月額の給与が支給額で200,000円の場合、給与から控除される雇用保険の保険料は600円/月でした。
それが、この4月から1,200円になります。
コロナ禍で雇用調整助成金の支給財源として多額の資金が消費されたこと、同時に失業が増加したため失業給付金の支給も増加したことが原因です。
結局のところ、いつも最後は国民ひとりひとりに負担が帰って来るということです。
2023.02.19
令和5年4月改正 「電子マネー」による給与の払込みが可能に。
令和5年4月1日から給与の払込みに「電子マネー」による払込みの方法を選択することができるようになります。これは厚生労働省令第158号の省令により「労働基準法施行規則」の一部を改正する方法により行われます。

払込みを指定することができる「電子マネー」の事業者は、適用を申し出た事業者から厚生労働大臣が選定し指定します。
使用者が労働者の「同意」を得た場合に、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた「資金移動業者」口座への資金移動による賃金支払いができる。
今般の改正は①賃金の支払方法に係る新たな選択肢を追加し②労働者および使用者の双方が希望する場合に限り③賃金の支払い方法として「指定資金移動業者」口座への資金移動を可能にする、というものです。
ただし、このような支払い手段を希望しない労働者および使用者に対して強制するものでありません。
使用者が制度を導入する際の注意点として、
①労働者が預貯金口座等への賃金支払いを選択できるようにすること
②労使協定の締結が必要
③同意書を作成し電子マネーに関する必要な事項を説明する
④上限金額は100万円
⑤少なくとも毎月1回は労働者が手数料を負担することなく電子マネー口座から1円単位で出金できること
使用者にとっては銀行振込手数料が電子マネーによる場合、手数料が不要になることもあり、大幅な経費削減につながる可能性があります。また、銀行口座を持たない労働者への対応や短期アルバイトへの賃金支払い、突発的な日払いへの対応が簡素化されることもメリットとして考えられます。
この制度は4月から事業者の募集が始まり、その後厚生労働大臣の指定が行われるまで数カ月必要であると思われます。
さらに指定を受けることができる事業者の数もかなり限定されると考えられることから、実際の制度導入は少し時間がかかりそうです。
2023.01.18
令和5年1月から傷病手当金の受取人が本人限定に変更されます
協会けんぽの傷病手当金を受け取る場合、受取人は被保険者本人の銀行口座しか指定できなくなります。

病気やケガなど私傷病で休職した場合に支給される傷病手当金
私生活上の病気やケガなどにより休職を余儀なくされたときに申請して支給される「傷病手当金」。支給開始から通算1年6か月間、申請により受給することができる制度です。この制度のお陰で安心して療養することができた経験がある人も多いことでしょう。
受給できる期間は、昨年、途中で復職などして不支給期間があった場合でも、その後また療養に入ったら不支給期間を除いて通算して1年6か月間受給できるように制度の変更がありました。
今回の変更は手当金「受取人」の指定についてです。
従来は、本人が指定すれば、例えば家族などを受取代理人とすることができました。確かに本人が銀行に出向いてお金を引き出すことが困難な場合も多いでしょう。
令和5年1月1日から、協会けんぽの傷病手当金の受取人指定制度が変更され、本人の口座しか指定することができなくなりました。ただし、相続の場合は戸籍謄本の提出などにより例外はあります。
今まで「会社」を受取人にすることもできていたのですが、全て本人に限定されることになります。
従って、一旦会社が本人に代わって傷病手当金を受け取って、健康保険料などを差し引いて本人に差額を支払うというようなこともできなくなります。
これは、すでに以前より引き続き本人以外の受取人を指定して申請を継続している場合にも適用されることにも注意が必要です。
2022.12.01
「振替休日」と「代休」の違い
休日に出勤して代わりに勤務日を休日にすることは、よくあることと思います。
そんな時「振替休日を取得した」のか「代休を取得した」のか、なんとなくどちらでも同じように思ってしまいませんか?
ところが「振替休日」と「代休」は、その取扱いが違います。

休日に出勤したけど代わりの休みは取れるの?
あらかじめ休日と決まっていても、その休日に出勤する必要が生じることがあります。
「休日の振替」とは、あらかじめ休日と決められていた日に出勤し、その代わりにほかの出勤日を休日にすることです。
ただし、休日の振替をする場合は、就業規則などで休日を振り替えることができることを定めておく必要があります。
これにより、あらかじめ休日と決められた日が出勤日となり、その代わりに振り替えた日が休日になります。
この場合には、もともとの休日に出勤しても「休日出勤」にならず、休日労働に対する割増賃金の支払いも必要ありあません。
これに対して「代休」とは、休日出勤などが行われた場合に、その代わりとして以後の特定の出勤日を休日とするもので、前もって休日を「振り替えた」のわけではなく「代休」を与えることで休日に勤務したことが平日に労働した扱いになることでもありません。
したがって、休日出勤の割増賃金を支払う必要があります。
休日出勤の割増賃金を支払うのだから、その日に代わる休日を与える必要がないことになります。
もっと簡単に言うと、急に休日に出勤してほしいとなったら「代休」で、代わりに休む日をあらかじめ決めてから休日に出勤して、その決められた日に休んだら、それは「振替休日」です。
ただし、いずれの場合も割増賃金については、少し細かい決まりがありますので注意が必要です。
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